隅に置けないプレイボーイのジョージ ‐ 映画『幸せの始まりは』を深く鑑賞する①
トップページをWordPress風にカスタマイズしました。皆さんがおっしゃるように、このほうがオシャレですね。まだまだ手を加える部分はたくさんありますが、徐々にしていこうと思います。
さて、このところ、新しい記事とアメブロからの引き継ぎを交互にアップしていましたが、今度はリライト記事。
今日から取り上げるのは、『幸せの始まりは』。
🌷『幸せの始まりは』あらすじと予告編🌷
『幸せの始まりは』(原題︰How do you know)。2010年公開の映画ですから、もう11年前になりますね。ストーリーをひとことで言うなら、ソフトボール一筋に生きてきた女性が人生の転換期に差し掛かって、2人の求婚者のどちらを選ぶべきか迷う物語。
監督は『ライフ・アクアティック』の記事でも触れた通り、オーウェンにとっては若い頃からの知り合いであるジェームズ・L・ブルックスです。
この映画については以前、オーウェンの部分のみについて考察した記事をアメブロにアップしていました。が、あまり幅のない書き方でしたし、内容的にも薄いものだったので、今回、新しい記事を書く感覚でリライトします。
ストーリー
予告編
🌷主な登場人物(キャスト)🌷
解説を円滑に進めるため、ストーリーのキャラクターをご紹介しましょう。
リサ(リース・ウィザースプーン)
Photo by Columbia Pictures, CNN
突然チームをクビになったソフトボール選手。すべてをスポーツに賭けていたために、人生の岐路に立たされて悩む31歳の女性。
マティー(オーウェン・ウィルソン)
Photo by Columbia Pictures, fanpop
メジャーリーガーで、リサの恋人。リサが落ち込んだ時、最も親身になってくれる人物でもある。
ジョージ(ポール・ラッド)
Photo by Columbia Pictures, brianorndorf
父親が起こした詐欺事件に巻き込まれ、逮捕の危機にある男性。恋人にも捨てられ、半ば自棄を起こして、リサを誘う。
マディソン氏(ジャック・ニコルソン)
Photo by Columbia Pictures, bestlifeonline
ジョージの問題だらけの父親。詐欺事件の真犯人にも関わらず、息子に責任を押しつけようとしている。
アニー(キャスリン・ハーン)
Photo by Columbia Pictures, fhd
ジョージの秘書。ジョージが無実の罪に問われた時、唯一見放さず、料理を作ってやったりなど、様々な世話を引き受ける。
🌷角度を変えても楽しめるストーリー🌷
Photo by Columbia Pictures, npr
『幸せの始まりは』は、オーウェンが出演したどの映画と比べても、ストーリーが観客の考えによって大きく左右されそうな作品です。
最初に書いたように、この映画の原題は《How do you know》。英語で「どうして分かるの?」という意味なのですが、この疑問文は物語の展開にも影響を与えています。監督はそのつもりではなさそうですけど・・・。
なかなか趣のある映画なので、いったん文字に書かれているストーリーを忘れ、まっさらな状態でキャラクターを観察するのも一興。
さて、キャラクターについて考えるなら、主人公のリサよりも男性2人のほうを。なかなか興味深い結果が出てきますよ。
🌷プレイボーイなのは誰?🌷
Photo by Columbia Pictures, londonmrs(left), aceshowbiz(right)
先入観なしにもう一度鑑賞していると、まず浮かぶのが、この疑問。
結論を先に言ってしまうと、
「嘘でしょ?!」と思われた方、まあ落ち着いて、もう少しお付き合いくださいね。ジョージとマティー、それぞれの性格をよく見ていけば、皆さんも納得するはず!
まずジョージから。思うのですが、ジョージって女性の影が多すぎるんですよね。どう見ても三股はかけています。
ジョージの恋人その1︰テリー
Photo by Columbia Pictures, quotesgram
ジョージの恋人として、冒頭に登場するのがテリー(シェリー・コン)。知人からリサと会うように勧められたジョージは初め、テリーの存在を理由に断ります。
ここまでは問題ありません。問題ないどころか、誠実な性格に感じますよね? リサが自分の電話を待っているかもしれないと考えて、わざわざ事情を説明して断るのも、不器用ながら好感が持てます。
利己的で冷たいテリーは、ジョージが刑事裁判に巻き込まれたのを知ると、薄情にも「片がついたらまた会いましょう」と、突き放します。まあ、テリーとの関係はたぶんこれでケリなんでしょう。ただ、キチンと収拾をつけてはいないように見えますが・・・。
ジョージの恋人その2︰アニー
Photo by Columbia Pictures, bellyguide
次に気になる存在はアニー。監督は、彼女がジョージの恋人に見えないようにと、わざわざ彼女の恋人としてアル(レニー・ヴェニート)を登場させていますが、結果はまったく有効ではありません。
アニーは自分が職を失う危険を犯してまでジョージを守ろうとし、どんどん生活環境が悪くなっていくジョージのために食事の面倒まで見てやります。ジョージもまたアニーの立場を守ることには必死。
特に、夜遅くジョージに電話するシーンと、新居に料理を持ってきて何とかジョージに逮捕の危険を知らせようとヒステリックになるシーンは印象的ですよね?
監督が何と言おうと、ジョージとアニーの間には友情を超えた関係が見え隠れしてしまうのは事実。
ジョージの恋人その3︰リサ
Photo by Columbia Pictures, vodkaster
3人目はもちろんリサ。映画のプロットから言えば、ジョージの真の相手のはずなのですが・・・。これがなぜかギクシャクしているんですよね。
初対面でいきなり喧嘩し、口論を避けるために何と沈黙の食事! その後バッタリ会った時も、一緒にカクテルを飲むものの、話は食い違ってばかりです。
どうでしょう? テリーとの関係はキチンと精算できていないし、アニーはどう見ても友達以上の存在。ここにリサが加わるのですから、やはり三股です。
ジョージの本命は?
Photo by Columbia Pictures, looper
では、ジョージが一番愛しているのは誰なのでしょう? テリーは問題外ですね。リサは行きあたりばったりの雰囲気で、茶飲み友達以上の存在にはなり得なさそう。
残るはアニーだけ。彼女と一緒の時、ジョージは驚くほど真剣で、心からの誠意を感じさせます。
アニーはいつも誰のことよりもジョージを大事にしていますし、ジョージ自身、気づいているかどうかは別として、どこかアニーを意識しているところがあります。
意味慎重なのは、映画のラストシーン。ジョージはリサに向かって、「アニーの料理、食べる?」と聞くんですよね。これって、恋人の女性に言う言葉としては相応しくないと思いません?
もっと前、一緒にカクテルを飲むシーンでは、冷蔵庫にたくさんの料理がタッパーに保存してあるのを見つけたリサから「これ、あなたが自分で作ったの?」と尋ねられて、ジョージは明らかに慌てています。
もしかしたら、ジョージの本命はアニーなのかも・・・。
では、オーウェン演じるマティは? マティはジョージの逆で、どこがプレイボーイなのか分かりません。その理由は・・・
長くなったので、今日はここまでにしますね。次回はマティーにスポットを当てて、プレイボーイ問題に決着をつけましょう。
つづく➡️
🌷『幸せの始まりは』を観る🌷
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U−NEXT
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