オーウェン・ウィルソンの映画と性格

オーウェン・ウィルソン|知られざる性格をすべて公開!

『ナイト・ミュージアム』のカウボーイや『アルマゲドン』のオスカー、『カーズ』の主役の声を担当するなど、有名作品に数多く出演している、ハリウッドの人気俳優オーウェン・ウィルソン。そんな彼の真の姿について伝えるブログです。

マックイーンがクルーズにレースを譲るのはオーウェンのアイデア|『カーズ/クロスロード』の魅力

 

 ついに、『カーズ/クロスロード』まで来ました。

 最終回の内容は

☑『クロスロード』の印象的なシーン

☑ マックイーン歌うズンバの製作エピソード

☑ オーウェンが変更したラストシーン

 

 言うまでもなく、オーウェンらしさが発揮された名作です。

 

 

🚦『カーズ/クロスロード』に見るオーウェンらしさ🚦

オーウェン・ウィルソン

Photo by©︎AFP via Getty Images

『カーズ2』がスパイアクション系に傾いていたのに対し、『クロスロード』では再びマックイーン個人の物語

 結末は1作めと同様、オーウェンらしい優しさが描かれています。

ズンバを歌うのを嫌がった?

マックイーンとクルーズ

 トレーナーのクルーズは準備運動にズンバを取り入れる現代人。

 マックイーンはこの踊りを嫌い、クルーズのトレーナーとしての腕の悪さにもイライラして、ついには怒鳴りつけてしまいます。

 しかし映画の中盤には、マックイーンがクルーズに詫びるためにズンバをしてみせるシーンが出てきます。

 

 さて、このズンバシーンはオーウェンにとってかなり苦痛でした。彼はマックイーンと同じで、この手のダンスはとても苦手。

 ズンバ収録時にはかなり縮こまってしまい、やっと投げ縄を投げるような仕草をしながら歌いました

 

 そばで見ていた製作者たちは、

「オーウェンは恥ずかしがったあげく、見えない投げ縄を操りながら歌うのが面白かった」

と、言っていました。

オーウェンは本当に「歌もダンスも下手」なのか

 オーウェンはもともと自分で「歌やダンスが下手」と言っています。

 でも、『スタスキー&ハッチ』などを聞いた感じでは、オーウェンの歌は決して下手ではありません。声は細めだけど、心地よい歌い方でチャーミング。

・関連記事『アイ・スパイ』で歌うのを嫌がったオーウェン

 

オーウェンウィルソン ホールパス

『ホールパス』

Photo by ©︎Warner Bros. 

 一方ダンスは『ホールパス』や『スタスキー』にディスコシーンがありましたが、ちょっとぎこちない印象。

『スタスキー』ではベン・スティラーが華麗なダンスを披露し、圧倒的な差をつけられています。

 

『ウェディング・クラッシャーズ』でも、ステップの踏み方でヴィンス・ヴォーンに負けているので、「踊りが苦手」というのはオーウェンの自覚通りみたいですね。

オーウェンの人生を彷彿させるマックイーンのクラッシュシーン

マックイーン クラッシュ

Photo by ©︎Pixar/Disney

 物語が始まってしばらくして、マックイーンが若手の車に負けまいとふんばった挙げ句にクラッシュするシーンがあります。

 

 事故そのものも確かに衝撃的ですが、よけいショックなのは周囲を走りまわる若手のレースカーたち。何と、マックイーンが何度も横転して倒れたのに、彼らはゴールを目指してそのまま走り去っていくのです!

 

 若い頃のマックイーンはキングが倒れた時、勝利を放棄して助けました(キングを助けるマックイーン

 しかし、『クロスロード』でマックイーンが怪我をした時、心配してくれるレーサーはいないのです。

 

 1作めでドックが語っていたレース界の冷たさがこのシーンの背景にそのまま描き出されていますね。

 

マックイーンもオーウェンも周囲から愛されているのが強み!

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Photo by ©︎Fox News

 いっぽうで、マックイーンがサリーや友人たちから温かく回復を見守ってもらえたように、オーウェンも多くの人から愛されているのは事実

 

 例えば2007年にオーウェンが自殺未遂(事件の真相はまだ不明なところも多いですが)を起こした時、ベン・スティラーやウェス・アンダーソンのような親友は心から同情を寄せ、力になろうとしました。

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 誰よりも理不尽な仕打ちを受け、誰よりも愛される。どんな人生にも矛盾はあるとはいえ、オーウェンの場合は両極端で波が激しいようです。

感動的なラストはオーウェンの提案

カーズ/クロスロード

Photo by ©︎Disney/Pixar

『クロスロード』初期のストーリーボードには、マックイーンが訓練の末にパワーを取り戻し、ストームを相手に見事な勝利を手にする様が描かれていました。

 

 しかし、オーウェンはこれを気に入らず、マックイーンが途中でレースをクルーズに譲ることを提案

 これが採用されて、映画は仕上げられたのです。

 

 自分のプライドをかけた最後のレースであったにも関わらず、クルーズにレーサーになるチャンスを与える展開は、心優しいオーウェンらしいアイディア。

製作者:だから、マックイーンがピストンカップで優勝するシーンがシリーズに1つもないんだよ。

 ピクサーのスタッフは苦笑していましたが、オーウェンの性質にはこの結末のほうが合います。

 

マックイーン:僕がきみにチャンスをあげられるチャンスはこれが最後なんだ。

 代走を遠慮するクルーズを、マックイーンはこう言ってレースに連れていきます。クルーズはストームの執拗な妨害を受けながらも、マックイーンの的確な指示に従って走り続け、見事に優勝を飾ることに。

 

 1作目のキングを救うシーンに匹敵する、オーウェンらしい心温まるラストです。

 エンディングでマックイーンとクルーズが寄り添いながら走るのも微笑ましくていいですね。

 

🚦『カーズ』シリーズは大人におすすめの素晴らしいアニメ🚦

『カーズ/クロスロード』

Photo by ©︎Disney/Pixar

 アニメには珍しいほど深みのある物語に仕上がった『カーズ』シリーズ。子供ももちろん楽しめますが、内容の良さはむしろ大人になってからのほうが味わえる、奥行きのあるストーリーです。

 

 数多いピクサーのアニメの中でも、『カーズ』は特に秀でているシリーズでしょう。

 擬人化された車の世界というのはユニークで面白く、そこにオーウェンらしいアイデアがたっぷり込められて、近年最高のアニメに仕上がっています。

 

 

・『カーズ』シリーズ解説一覧