オーウェン・ウィルソンの映画と性格

オーウェン・ウィルソン|知られざる性格をすべて公開!

『ナイト・ミュージアム』のカウボーイや『アルマゲドン』のオスカー、『カーズ』の主役の声を担当するなど、有名作品に数多く出演している、ハリウッドの人気俳優オーウェン・ウィルソン。そんな彼の真の姿について伝えるブログです。

『アイ・スパイ』お人好しアレックスの恋の顛末|オーウェンもエディも歌の告白シーンを嫌がった

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 テレビドラマのリメイクとして製作された映画『アイ・スパイ』。

 ここでは本作のちょっと変わったロマンスシーンについて、自由にお話しします。

 

この記事の概要

・歌で口説くシーンはオーウェンもエディも嫌がった

・オーウェンはお人好しだから、現実でもレイチェルに引っかかるかもしれない

 

 あらすじと登場人物は↓こちらに載せてますので、よかったらご覧ください。

 

 

✈️オーウェンもエディも拒否! 歌を嫌がった理由は?✈️

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Photo by ©︎Columbia Pictures Industries, Inc.

 レイチェル(ファムケ・ヤンセン)に恋するアレックスを助けるため、プレイボーイのケリーがスパイ道具を利用して口説き方を指南するシーン。

 ケリーが歌い、アレックスはそれを繰り返してレイチェルに想いを伝えて、何とも珍しい場面に仕上がっています。

 

 このシーンでは、監督と主役2人の間に議論が持ち上がりました。オーウェンもエディも初めは歌を拒否したのです

監督:二人を説得するのは骨が折れたわ 。午前中いっぱいせっせと頼み込んで、やっとエディが歌い、オーウェンはそれを歌わずに言葉で繰り返すことで話がついたの。

 もちろん、嫌がった理由はそれぞれに違っていました。

エディ・マーフィーの言い分

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Photo by ©︎Columbia Pictures Industries, Inc.

 エディの拒絶理由は単純に、「この手の歌はしょっちゅう歌ってるから、もうたくさんだ!」

 俳優業としての傍ら、いつの間にか歌手としても活躍していたエディーにとっては、いいかげん歌うのに飽きが来ていたよう。

 

 エディーが歌手として活躍していたのは初耳でしたが、5枚ほどアルバムを出しているようですね。

 さて、説得されてしぶしぶ歌ったのが↓こちら。19秒あたりから歌いだします。

オーウェン・ウィルソンの言い分

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Photo by ©︎Columbia Pictures Industries, Inc.

 一方、オーウェンのほうはもう少し事情が混み入っています。

 建前上は「僕は歌が下手だからダメだ」と断ったのですが、これは言い訳でしょう。

 『アイ・スパイ』より後の制作とはいえ『スタスキー&ハッチ』や『ミート・ザ・ペアレンツ2』では歌声を披露しているのですから。

 

・『スタスキー&ハッチ』で歌うオーウェン

 

 どう聴いても下手ではありません。それどころか、とても優しい声で、心地よい歌い方だと思いませんか? 

 

 彼が嫌がったのは、おそらく歌の内容。

『ミート・ザ・ペアレンツ2』での歌は結婚式の祈り、『スタスキー』は喧嘩した恋人と仲直りを求める歌

 ところが、この『アイ・スパイ』では歌詞がきわどく、かなり下品

 

 ケリーのイメージに合わせた選曲なのでしょうが、上品なオーウェンにとっては恥ずかしかったのでは…。実際、このシーンでのオーウェンは明らかにイライラしています。

 

 ちなみに、求愛の言葉を受け入れたレイチェルがふざけ半分にアレックスをベッドに放り投げるのも監督のアイディア。

 ちょっと、監督! オーウェンは肩を脱臼したことがあるんですよ!!! 乱暴にしたらまた肩の骨が外れるかもしれないのに・・・。

 

✈️お人好しなアレックスはオーウェンそっくり✈️

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Photo by ©︎Featureflash Archive

 真面目で頭がよく、権威に屈さない誇りを持つアレックスの性格は、オーウェンの中にも見いだされます。

 

 そして恋愛における騙されやすさ*1。アレックスは夢中になると、ひたすらヒートアップして相手を崇め奉る傾向がありますが、これは現実のオーウェンも陥りやすいものです。

二重スパイのレイチェルに首ったけ

 アレックスは二重スパイのレイチェルに想いを寄せた挙げ句、散々な目に遭わされます。

 ちょっと見れば怪しいのは分かるでしょうに…と思ってしまいますが、気づかないのがオーウェンらしいです。

 

 ブダペストの屋敷に潜入する時にレイチェルの運転を褒めるセリフや、気持ちが昂ぶってランプをソワソワと引っぱる仕草はオーウェンのアドリブで、彼らしい奥手な雰囲気がよく出ています。

悪人と分かってもまだ未練を残す

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Photo by ©︎Columbia Pictures Industries, Inc.

 ラストで逮捕されたレイチェルが、最後のなけなしの武器として放つ一言、

「アレックス、ギリシャで張り込みをしない?」

 たいていの映画なら、ここで誘われた男は馬鹿にするか、腹を立てるか、いずれにしてもキッパリ断る展開になりますよね。

 

 ところが、このアレックスときたら誘惑に負けそうになり、ボーッと彼女に見惚れてしまいます! 業を煮やしたケリーから叱られて、やっと目を覚ます有様。

 しかも、断り文句もケリーに言わされてる状態ですから、苦笑せざる得ません。

 

 何というか、映画でもなかなかレアな光景でした。

 

✈️まとめ✈️

 よく考えると、あまりにもシャイで告白もできないという設定そのものがスパイものでは珍しい気もします。ジェームズ・ボンドなんか1作で何人も相手にしますから。

 

 アレックスの告白を助けるためにスパイ道具を活用するのも、笑えますね。

 

 でも何と言っても珍しいのは、やっぱりアレックスのお人好しぶり!

 いくら好意を寄せていても、あれだけ拷問されて、何度も騙されたら気持ちが冷えそうなもの。なのに、最後の最後まであの調子ですからね…。

 

 いろいろな意味でオーウェンらしい1作です。

 

 

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*1:ここからの記述は21年の春、最初にアップした時と大きく変更しています。オーウェンの性格をさらによく知った結果、アレックスの騙されやすさも彼そのものと気づいたためです。