デュプリーは子犬がモデル?『トラブル・マリッジ』の魅力はオーウェン・ウィルソンにあり!
『トラブル・マリッジ』は役の設定があべこべなのが玉に瑕の映画ですが、それでも面白いのはひとえにデュプリーを演じるオーウェン・ウィルソンの魅力です。
多くの映画と同じく、本作でもオーウェンはある程度意見を映画に反映させていますし、彼の個性も散りばめられています。
本作をまったくご存じない方は、先に『トラブル・マリッジ』あらすじと登場人物をどうぞ。
🧸映画の魅力はオーウェン・ウィルソン演じるかわいいデュプリー!🧸
Photo by ©︎Universal City Studios LLC
この映画の魅力は何と言っても、オーウェン演じるデュプリー。ひたすら愛らしく、心優しくて、無邪気。
デュプリー演じる時のオーウェンは普段に比べて髪の毛先が縮れ、子供っぽく見えます。見た目だけでも可愛すぎるくらい! もしかしたら、癒やしにもなるかも…。
オーウェン自身はデュプリーという役について、こう語っています。
オーウェン:彼の性格は子どもたちとの関わり方を見れば分かるよ。カールとモリーの家に来た時、デュプリーはまず近所の子どもたちと仲良くなる。彼の心はまだ小さな子供なんだ。僕自身にもちょっと子供っぽいところがあるから、演じるのに苦労はしなかったよ。
オーウェンが製作に関わった映画のひとつ
オーウェンが製作に関わるのは、別に珍しいことではありません。親友のウェス・アンダーソンの作品の初期の作品では必ず脚本を手伝っていますし、そのいくつかでは製作総指揮をとってもいます。
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『トラブル・マリッジ』もオーウェンが初期段階から関わった作品。クレジットにもプロデューサーの1人として、ちゃんと名前が挙がっていますよ。
脚本を書いたマイケル・ルシュールは、
「構想を練っている時から、この役をオーウェンに演じてもらいたいと強く願っていたんだけどさ、まさか一緒にプロジェクトを作れるなんて! 彼のアイディアは脚本のあちこちに散りばめられている。デュプリーのキャラクターはオーウェンの独創性の賜物だよ」
と、有頂天でした。
役のモデルはダルメシアンの子犬?
※イメージ画像 Photo by Peter Grima
オーウェンはこの役を演じるにあたって、自分が以前飼っていた犬の動きを真似たそう。
オーウェン:僕が小さかった時、ナツメグって名前のダルメシアンを飼っていたんだ。とにかくじっとしていない犬で、何でも噛みちぎってばかりいた。
母(義母)は怒ってこの子を追い出そうとしたけど、僕たちはみんなナツメグが大好きで、ナツメグも僕たちに懐いてくれていた。それで結局あの子はそのままいたんだけど、デュプリーを演じるにあたって、僕はナツメグのマネをしたんだよ。
そう言われてみれば、デュプリーにはどこか子犬そっくりのところがあります。
オーウェンはカールを演じたかった
脚本家はオーウェンをデュプリーに、と考えていたようですが、当のオーウェンはカールを演じることに興味があったよう。
オーウェン:もともと脚本を練っている時、僕はカールを演じるつもりでいたんだ。実際、そのチャンスもありそうだった。カールが味わう感情の多くはある程度まで僕自身のものでもあるんだ。
オーウェンがカールを、マット・ディロンがデュプリーを演じるパターンでもいくらか撮影が進んでいたのか、その状態で作られた予告編もありました。
結局、オーウェンは脚本家の希望通りデュプリーを演じたのですが、本人はちょっとがっかりしたようですね。
まさに、この一件が原因で物語に矛盾が生じているんですけどね…。
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🧸デュプリーはオーウェンの独創性の賜物に🧸
最初からオーウェンがデュプリーを演じることを望んでいたルシュール(脚本家)はこの役について、
「デュプリーについて考える時は、表面的なところだけを見て騒々しい怠け者と決めつけてはいけない。彼は少しも気取らず、黄金の心の持ち主なんだ。新婚生活をわざと乱すようなことは何もしないし、とても無邪気。おまけにオーウェンが演じたことによって、無意識に湧き上がる知恵がある」
と、コメントしています。
最初の段階ではカールを演じたいと願っていたオーウェン。でも、いざデュプリーに決定すると、持ち前のアドリブの才能を発揮して、魅力的な人物に変身させてしまいました。
代わりにカールはとてつもなく嫌な人物になってしまっていますが…。
オーウェンが希望通りカールを演じていたら、どうなっていたんでしょう? 逆になっていたら、今度はカールのほうが好人物になり、話の矛盾もなくて済んだかもしれませんね。
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