179cmのオーウェンはいかに砂時計に入ったのか?!|映画『ナイト・ミュージアム』シリーズ解説②
『ナイト・ミュージアム』シリーズは、大小さまざまなサイズの展示物が登場しますよね。
人間が小さなジオラマ人形と目を合わせておしゃべりしたり、ミニカウボーイが砂時計に閉じ込められたり…。では、どのように撮影したのでしょうか?
例えば、179㎝の身長のオーウェンがどうやってあの小さな砂時計に入った方法。等身大の人間とミニチュアサイズの人間を同時に画面に収めた撮影…。
この記事では本シリーズの撮影裏話をご紹介します。もう一つ、原語と字幕でかなりニュアンスの違いがあるので、そこもお話ししましょう。
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🏰ジェデダイアとオクタヴィウス 小さいコンビの撮影秘密🏰
このシリーズには多種多様な展示物が出てきますが、中でもジオラマ人形のジェド(オーウェン・ウィルソン)とオクタヴィウス(スティーブ・クーガン)はとても小さく、人間の親指ほどのサイズ。
当然、普通の実写でできるはずはありません。ベン・スティラーが自分より背の高いオーウェンを手のひらに乗せるなんて不可能ですから。
ベン・スティラー、つまようじと会話する
Photo by ©︎20th Century Studios, Inc.
1〜3作目まで、オーウェンとスティーブのシーンは、標準サイズの人間(?)を撮り終わってから、撮影に入っています。
ラリー(ベン・スティラー)がミニチュア人形と会話する場面は多くありますが、実はベンが話しかけているのはつまようじ!
人間たちを撮影する時、ミニチュア人形は目印のテープを貼ったつまようじで代用され、編集段階で後で収録したオーウェンとスティーブの映像をつまようじと差し替える、というプロセスを踏んだのです。
つまようじをジェドやオクタヴィウスに見立てて撮影を進めたのは致し方ないとはいえ、ベンにはちょっと難しかったよう。
監督のショーン・レヴィは、
「ベンは目で見たものに反応する俳優なんだ」
と、語っています。
ベンはつまようじ相手ではまったく興が乗らなかったため、監督は自分がジェドとオクタヴィウスのセリフを読み上げたり、アマチュアの俳優を2人呼んだりして、ベンの演技力を引き出すことに成功しました。
遠距離のアドリブ応酬
Photo by ©︎20th Century Studios, Inc.
1作目、ラリーが初勤務でくたくたになり、ようやく展示物から解放されると思った矢先、制服のポケットからジェドが飛び出してくるシーン。
ここは監督が橋渡しをする形で、オーウェンとベンのアドリブの応酬になっています。
「ベンはこの部分のセリフを20種類思いついた。そこで、私はそれを全部メモしておいて、2か月後オーウェンのシーンを撮る時に1つ読み上げていったんだ。すると、オーウェンもそれぞれに合う20種類のアドリブを返してきたから、その中から選んで作り上げたんだよ」と、監督は話していました。
余談ですが、このシーンのもうひとつの面白いエピソードは↓こちらで紹介しています。
オーウェンが砂時計に入る仕掛け
Photo by ©︎20th Century Studios, Inc.
『ナイト・ミュージアム2』では、ほとんど砂時計の中で過ごす羽目になるジェド。大きな砂時計の中で、惨めにもどんどん砂に埋まっていきます。
実は、オーウェンが入っているのはかなり狭い球体の中で、砂は天井に取り付けられた管から降ってくる小麦粉。
つまり、あの砂の雨は本当にオーウェンに降り注いでいるんですね。球体そのものも、一度入ると自力では出られなかったようなので、オーウェンは本当に閉じ込められた状態でした。
先にも書きましたが、球体はかなり狭く、相対的な直径は映画で見る砂時計よりひと回り小さかったので、閉所恐怖症の人だったら辛いかも。
ジェデダイアの宙返りは取りやめになった
Photo by ©︎20th Century Studios, Inc.
砂時計から脱出したあと、ジェドはオクタヴィウスと一緒に悪党たちの足を刺してまわり、戦いを有利に進めていきます。
ここでオクタヴィウスは一度思い切りジャンプして悪党の足に飛び乗りますが、本当はジェドにも1つ見せ場が用意されていました。
それは、宙返りして悪党に飛びかかる、というもの。ただ、監督のレヴィは「だけど、オーウェンは宙返りなんかやったことないだろ?」と心配し、結局安全性を考慮して、この案を取り下げました。
レヴィ監督がちゃんと気を利かせてくれて助かりました。さもないと、またオーウェンは危険を冒すところでしたよ。宙返りをするかと聞かれて、オーウェンったら「やってみよう」なんて答えたようですから。
相手が何か望んでいるとなると、オーウェンは無理してまでそれに応えようとするタイプなんです。
🏰『ナイト・ミュージアム』解説まとめ🏰
『ナイト・ミュージアム3』からのワンシーン。⬆️これは珍しく、公式チャンネルで日本語字幕つきが見つかりました。本編と比べると省略してありますが、面白さは充分伝わるでしょう。
ミニチュア人形が大画面でネコの動画を鑑賞しているだけでなく、秘密兵器をフル稼働してコメントを書き込むのが笑えます。
さて、『ナイト・ミュージアム』シリーズはここまでになります。
他にもロビン・ウィリアムズ演じるルーズヴェルト大統領、最近人気の俳優ダン・スティーヴンスのランスロットなど、豪華な配役はたくさん登場しますが、ここはオーウェンのためのスペースなので、もう語り尽くした感じなのです。