新年明けましておめでとうございます! ついに2023年になりましたね。皆さんにとって、幸せと希望に満ちた1年になりますように。
さて、新年の初記事は…『ラブ・アクチュアリー』! 今回はオーウェンではなく、リーアムの出演映画です。
Photo by ©︎Universal Pictures
・公開:2003年
・ジャンル:ロマンス
・時間:135分
・出演:リーアム・ニーソン、ヒュー・グラント、コリン・ファース他
この映画で残念なのは、ストーリーを詰め込み過ぎてゴチャゴチャしていること。それでもリーアム演じるダニエルの物語を始めとして、合計3つのエピソードは一見の価値がありますよ。
💚『ラブ・アクチュアリー』リーアム・ニーソンの役は?💚
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先ほども書いたように、本作はいくつものストーリーが混ざり合っています。リーアムが演じるのはダニエル。
ダニエルは妻を亡くしたばかりで、妻の連れ子サムの幼い恋を、あの手この手を使って応援してやる優しい父親。
アクションやダークなストーリーが多いリーアムには珍しいアットホームな役柄ですね。
ドラムの騒音をひたすら我慢
ダニエルはおとなしく、あまり自己主張をしない性格です。それがはっきりと現れているのが、サムが学芸会のためにドラムの練習をするシーン。ダニエルは文句ひとつ言わず、耳を塞ぎながら我慢しています。
幼い子どもの恋を応援するためとはいえ、ドラムの騒音にはかなり忍耐力が必要ですよね…。
でも、リーアムは意外なところで自己主張をしないので、こういう大人しさもあります。
改札口すり抜けをそそのかす
映画の終わり頃、サムは飛行機で旅立つ彼女に想いを打ち明けることに決めます。ところが、すでに彼女は空港の改札を通った後でした。
「ちょっとだけ見送らせて欲しい」と頼んでも、係員は取りつく島もありません。
ここは後に派手なアクションで有名になるリーアムの破天荒さが垣間見えるシーン。なんと、ダニエル(=リーアム)は息子に「他の客が通る合間に改札をすり抜けて行け」と耳打ちするんです!
まったくリーアムらしい判断ですね。少々ルールを破ってもしたいことをやってのける大胆さ。これが彼の魅力の1つです。
クラウディア・シファーのギャグ
周りのキャラクターが様々なロマンスを築いていくなか、ダニエルは映画の始めに妻を亡くした後は義理の息子の恋にかかりきり。
サムから「パパの恋は?」と聞かれると、ダニエルは冗談半分にこう答えます。
パパはもうそっち方面は終わりさ。まあ、クラウディア・シファーが電話をくれたら別だけどね。
さて、映画の終わり頃、ダニエルは学芸会でばったりぶつかった女性キャロルに一目惚れします。このキャロルを演じているのが、クラウディア・シファー本人。
何ともユニークな展開ですね。登場人物が勢揃いで集まる最後の空港シーンでは、ちゃんとキャロルと並んで立っているのも面白いです。
💚『ラブ・アクチュアリー』の欠点はオムニバス形式にあり!💚
『ラブ・アクチュアリー』の致命的な欠点は、たくさんのストーリーが次々と脈絡なく流れていく点。
男やもめダニエルと義理の息子サムの物語も、他のストーリーと交代で登場し、結果的に1つのストーリーに集中できない不満があります。
物語の出来不出来もあり、面白いストーリーからつまらないストーリーに切り替わるのは毎回フラストレーションが溜まります。
最後に、【ダメなストーリー】と【面白いストーリー】を取り上げますね。
ダメなストーリー①:マークとジュリエット
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これは嫌いです。マークとジュリエットどちらにも共感できません。「マークが好きだったけど、気がないように見えたからマークの親友と結婚した」というジュリエットは浅はか過ぎるし、マークも気持ちがあるならなぜ言わなかったのか不明。
あげくには結婚後に付き合い出す始末。観ていて頭にきました。
ダメなストーリー②:コリンのミーハー恋人探し
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これも感心しません。片っ端から女の子に声をかけてみて相手にしてもらえないから「アメリカの女ならもっと開けっぴろげかも」と、コリンはアメリカ旅行を決定。到着したらさっそく商売女みたいな女の子たちに声をかけて乱交に突入。
冗談じゃありません!
ダメなストーリー③:ジョンとジュディ
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この2人の場合、頭にくるわけではありません。ジョンとジュディは普通のカップル。平凡だけど、互いに思いやりを持って接するのは微笑ましくもあります。
ただ、2人の設定を【映画のセックススタント俳優】にしたのはダメ。無意味な全裸シーンを見せられ、映画の品格を落としています。
面白いストーリー①:ダニエルとサムの親子
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これは言わずもがな。リーアム・ニーソン演じるダニエルが義理の息子の幼い恋を応援する様子が面白いです。
落ち込む息子を励まそうと『タイタニック』を観ながら一緒に遊ぶシーンも微笑ましい。
面白いストーリー②:首相デイヴィッドとナタリー
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これも面白いです。ヒュー・グラント演じる、頼りないデイヴィッド首相と官邸スタッフのナタリーのロマンス。
このデイヴィッド、序盤は「それで首相務まるの?」と疑わしいですが、ナタリーがアメリカ大統領からセクハラを受けた時に一変!
いつもおどおどした要領の悪さはどこへやら、その後の記者会見では思いきりアメリカ大統領をやっつけます。
デイヴィッド首相のエピソードでは、
・ラジオで【首相に捧げる歌】なるものが流れて、官邸内でロックダンスを始めてしまう。
・学芸会の舞台裏でナタリーとキスすると、いきなり幕が上がってしまい、観客に丸見えになる。
など、笑えるポイントも多いです。
面白いストーリー③:ジェイミーとオーレリア
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私が面白く感じた3つ目が、コリン・ファース演じるサスペンス小説家ジェイミーと臨時メイドのオーレリアのストーリー。
ポルトガル人のオーレリアとイギリス人のジェイミーはお互いに一言も言葉が分かりません。にも関わらず、同じ時に似たようなことを口にするのです。
例えば、ジェイミーの原稿が風に飛ばされて川に落ちてしまった時。オーレリアは文句を言いながらも冷たい水に飛び込んで、一生懸命に拾い集めてくれます。
オーレリア:(ポルトガル語で)これで、もし駄作だったら承知しないわよ。
ジェイミー:(英語で)頼む、凍えるからやめてくれ。どうせ駄作だから。
(場面変わった後で)
ジェイミー:本当にありがとう! 登場人物の1人にきみの名前をつけるよ。
オーレリア:登場人物の1人に私の名前をつけてくださらない?
相手の言うことを理解できないのに、どこかちゃんと通じている感じが素敵です。
最後は互いに相手の言語を勉強し始め、ジェイミーはクリスマスイブにポルトガルへ飛んでいって彼女にプロポーズ。微笑ましいハッピーエンドです。
💚結論:ゴチャゴチャしていても一見の価値あり💚
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さっきから何度も言うように、この映画は話がゴチャゴチャし過ぎています。合計9つのストーリーが展開されますが、面白いのは3つだけ。これでは場が持ちません。
ダニエル、デイヴィッド首相、ジェイミーの3つにストーリーを絞って、その上でうまく絡めればもっとスッキリしたでしょうに…。
でも、ゴチャゴチャを別としても、この3つのエピソードは高水準の出来栄え。一見の価値はあります。