オーウェン・ウィルソンの映画と性格

オーウェン・ウィルソン|知られざる性格をすべて公開!

『ナイト・ミュージアム』のカウボーイや『アルマゲドン』のオスカー、『カーズ』の主役の声を担当するなど、有名作品に数多く出演している、ハリウッドの人気俳優オーウェン・ウィルソン。そんな彼の真の姿について伝えるブログです。

ピアース・ブロスナンらが語るオーウェンの印象 ― 映画『クーデター』の魅力③

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『クーデター』の解説3回めにして最終回です。

 この映画はストーリーが分かりやすいので、ひたすら「いかにオーウェンらしさが発揮されているか」だけを綴っていますね。

 最終回の今日は、

・オーウェン自身の『クーデター』への感想

・共演者たちがオーウェンをどう評価したか?

・映画のロケ地

について、ご紹介します。

 

🔹オーウェンは『クーデター』をどう演じたか🔹

 ジャック役のオファーをとても喜んだオーウェン。が、かなりハードなアクションをこなす必要があったため、肉体的負担は『エネミー・ライン』に負けず劣らずでした。

 しかし、オーウェンが『クーデター』の出演に誇りを持ち、この映画を心から気に入っているのは間違いありません。

『クーデター』でのオーウェンの負担ポイント

 執拗に追ってくる外国人たちから必死で逃げ回る、というストーリーの性質上アクションが大変なのは予想がつきます。

 しかし、本作で何より大変だったのは、

自分の役だけでなく、アニー(レイク・ベル)の演技とアクションもこなさなければならなかった

ことでしょう。

クーデター レイク・ベル

Photo by ©The Weinstein Company, Bold Films

 2回めの記事でも書いたように、アニーの役作りをしたのはオーウェン。彼はジャックを演じながら、レイク・ベルの分まで兼任したわけです。アクションも同じで、レイクが怖がるスタントシーンはオーウェンも一緒にしてやりました。

 2人分のアクションと演技をこなした結果、「オーウェンは撮影3週間目には体じゅう傷だらけになり、フラフラしている状態」になってしまいました。

コメディもスリラーも演じる姿勢に変わりなし!

 普段はスリラーよりもコメディを演じることが多いオーウェン。本作に彼がキャスティングされた時は、「コメディ俳優のオーウェンが珍しくパニックスリラーに出演する」と、かなり驚きの声が上がりました。実際にはオーウェンはシリアスな役を演じたことも多いのですが…。

 インタビューで「スリラーを演じるのはコメディの時と感覚が違うのか?」と問われて、オーウェンはきっぱりと否定しています。

「ジャンルが何であれ、脚本を読み、最善を尽くして演じるという行為は何も変わらないよ。もちろん、この作品のいくつかのシーンは確かにかなりキツかったし、必死で頑張らないといけなかった。

 そんな時の助けになったのが、娘たちを演じたあの小さな女の子たち。とても大変なシーンでも、あの子たちの顔を見ていたら、とにかく保護本能をかき立てられる。何としても家族を、特に小さな子どもを守らなくては、と思うと自然と演技が出てくるんだ。」

 確かに、彼の言うとおり、ジャンルに関わらず、姿勢は同じですよね。

Embed from Getty Images

 ちなみに女の子たちといえば、オーウェンは演技の中だけでなく、撮影中も彼女たちが怪我しないように、よく気を配っていたようですよ。

ジャックの役作りは楽だった

 アクションが過酷で、肉体的負担は大きかった本作ですが、ジャックの役作りそのものはオーウェンにとって非常に楽でした。

クーデター オーウェン・ウィルソン

Photo by ©The Weinstein Company, Bold Films

「演じる時は、どんな役でも自分の感性が現れてくるものだけど、ジャックの言動はどれも僕が現実でもしそうなことばかりだったんだ。だから、どのシーンでも疑問を持つことはなかったよ」

 監督のドゥードル兄弟がオーウェンをイメージして書き上げたキャラクター、ジャック。確かにオーウェンそのままの性格に描かれていますから、すんなり役に投入できたのも頷けます。

お気に入りのシーンは、家族と過ごすシーン

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Photo by ©The Weinstein Company, Bold Films

 最も好きなシーンを尋ねられたオーウェンは、「家族で過ごすシーン」と答えています。

「ホテルの部屋で過ごしたり、荷解きを手伝ったり、プールに行きたがる子どもをたしなめたり・・・。本物の家族みたいだったよ」

 パニックスリラーに出演してこの答えとは、いかにも家庭的なオーウェンらしいですね。

家族を疑似体験した?!

 しかし、家庭を持った経験のないオーウェンにとって、赤の他人を相手に家族を演じるのはなかなか難しかったよう。

 オーウェンは小さい頃に心から慕っていた本当の母親を亡くし、継母の虐待に耐える悲惨な少年時代を送っています。

Embed from Getty Images

 大人になってからも、自分の家庭を持ちたいと願いながら、あまりに理想が高すぎるがゆえになかなか叶わず、ひたすら他人のためにばかり尽くす寂しい生活

「映画で難しいのは、出会って間もない人と家族や親友を演じることなんだ。相手のことをほとんど知らないのに、どうやって親しそうな雰囲気を作れると思う? 今度の監督は、家族のキャストを早めに集めて、一緒に過ごさせてくれた。みんなで遊びに出かけたり、タイの公園に象を見に行ったりもして、親近感を得たんだよ。」

 この発言を聞いて、何となくかわいそうになるのは私だけかしら・・・?

インタビュアーさん、オーウェンをからかっちゃダメですよ!

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Photo by Bold Films, imdb

 レイク・ベルのことが話に登った時、インタビュアーは「彼女のご主人、あなたに嫉妬しませんでした?」

 オーウェンは笑って、「いや。妬くわけないだろう? 彼は、面白い映画だねって言っただけだよ」と答えていましたが、インタビュアーも気が利かないですね。彼はいちいちこんなふうに聞かれるのは嫌がるのに・・・。

 オーウェンはとても真面目なんですよ! こんな質問をするなんて、プレイボーイ扱いしているようで失礼です。

🔹共演者から見たオーウェンの印象🔹

 これまでも何度か、ピアース・ブロスナンやレイク・ベルが語ったコメントを引用しましたが、ここでは改めて彼らがオーウェンについて述べた言葉を紹介していきたいと思います。

とても素敵で優しいお父さん ― クレア・ギア(ビーズ役)

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Photo by  Famousfix

「あたし、ほとんどウィルソンさんの娘になった気分でした。ウィルソンさんはとってもいい人だし、一緒に仕事がしやすいし・・・。そりゃあそうですよね、あの方は名俳優さんですもの。ほんとに、とっても素敵で、面白いお父さんです

 余談ですが、このインタビュー時のクレアちゃんは見物。大人のマネなのか、いかにも大女優然とした態度で答えているんですが、頭にはビーズ役の時のままパンダの被り物! 可愛くて笑えます。

観客を引き込むだけの才能を持っている ― ピアース・ブロスナン(ハモンド役)

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Photo by indian express

私はオーウェンの大ファンでね、彼の映画はたくさん観ている。」大物俳優は茶目っ気たっぷり、かつ熱心に言っています。

「オーウェンはどんな役だってできるんだ。あの声のニュアンスと人格で、観客をスクリーンにぐっと引き込めるだけの才能を持ってるからね。」

 ピアースは、オーウェンとさほど遠くない場所に住んでいながら、この『クーデター』で共演するまで会ったことがなかったそう。

ハモンド役のオファーが来た時、やる気になった大きな理由の1つはオーウェンの存在さと、ピアースは楽しそうに語っていました。

周りによく気を配る人 ― レイク・ベル(アニー役)

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Photo by Gala

「オーウェンは本当に愛すべき人で、いつも周りに気を配っているの。共演者から撮影スタッフに至るまで、どんな人に対してもそう。とても親切で、心が広いわ。」

 彼女のコメントも、オーウェンの性質を的確に表していますね。

『マーリー』の時も出演する犬の面倒を見る羽目に陥りましたが、オーウェンはいつも周囲に気を遣いすぎるほど。この『クーデター』では、レイク・ベルの指導をし、子どもたちの安全を心配し、神経をすり減らしていました。

 オーウェンはもう少し気を楽に持たないと、自分が辛いと思うんですが・・・。

🔹『クーデター』のロケ地はどこ?🔹

 ストーリーの上では、観客のひんしゅくを買わないように、アジア某国とだけなっている舞台。最後に川を渡ってベトナムに入るので、「カンボジアだ!」とおっしゃる人もいますが、それは間違いです。

アジア差別と非難するのは不当!舞台はこの世に存在しない国

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Photo by Bold Films, letterboxed

『クーデター』が起きるのは、まったく架空の国。ベトナムと国境を接してはいても、カンボジアではありません

 製作者たちは、アジア人が気分を害さないよう、細心の注意を払って映画を作りました。街に出てくる看板や標識は、デザイナーたちが苦心して作り上げた、まったくこの世に存在しないアジア文字で書かれています。

 時々、この映画を観て、「アジアに対する偏見と差別だ!」と騒ぐ人がいますが、それは不当だと思います。製作者たちは最大限にアジア民族に配慮して、映画を撮っているのですから。

 何ですか? こんな大量虐殺の犯人をアジア人にすることそのものが気に入らない?

 それに関しては、ジャック役のオーウェンに説明してもらいましょう。

「もし、舞台にアトランタとかバンクーバーみたいに、しょっちゅう映画に使われるような土地が選ばれていたら、見知らぬ国に迷い込んだ不安な外国人旅行者の雰囲気はとても出せなかったと思うよ。

 タイの人々はとても親切だし、もてなし上手の温かい国だけど、僕たち西洋人にとっては、やっぱり何もかもが珍しい。物語の上で、この感覚はどうしても必要だったんだ

撮影はタイの全面的協力のもとに進められた

 さて、肝心のロケ地は、さっきオーウェンのインタビューに出てきたとおり、タイ。撮影にあたって、タイは全面的な協力を惜しみませんでした。惜しまないどころか、タイは「ハリウッド映画のロケ地に、我が国が選ばれるとは最高の名誉!」と考えていました。

 映画の中盤、ジャックがそっと大使館に行き、めちゃくちゃに荒らされているのを見つけるシーンがありますが、あの建物はタイにある本物のアメリカ大使館。もちろん、文字などは書き換えてありますが・・・。

 主人公たちが逃げ回る街も、本物の街角や通りを使っていていかにタイが大掛かりなサポートをしたか分かりますね

タイで本当にクーデターが起きてしまう・・・

 映画『クーデター』を作り上げるため、多大な支援をしたタイですが、実は撮影中からこの国ではクーデターが起きかけていました。

 実際、撮影終了後まもなくタイは厳重警戒に入り、入国や出国が難しい状態になってしまいます

「タイミングがあとちょっと遅かったら、僕らは国を出られなくなるところだったよ」と、監督のドゥードル兄弟は話していましたが、本当にそうなったら大変なことになりましたね!

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Photo by  Variety

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🔹映画『クーデター』のあらすじと予告編🔹

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Photo by Bold Films

 出張のため、アジア某国に家族とともに引っ越してきたジャック(オーウェン・ウィルソン)が暴動に巻き込まれるストーリー。

 話は単純なのですが、そこに描かれている愛情と人間模様が観る人を感動させます。

ストーリー・キャスト

eiga-watch.com

予告編

🔹『クーデター』を観られるのは?🔹

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 ただ、この『クーデター』、だんだん希少価値になってきているようで、手に入りにくくなっていますね。

 また、DVDはちょっと注意が必要かもしれません。ブルーレイと比べると、本編映像の何ショットかカットされている気がしました

 さらに、この映画の場合、特典はブルーレイにしか収録されていないので、できればブルーレイをおすすめします。