オーウェン・ウィルソンの映画と性格

オーウェン・ウィルソン|知られざる性格をすべて公開!

『ナイト・ミュージアム』のカウボーイや『アルマゲドン』のオスカー、『カーズ』の主役の声を担当するなど、有名作品に数多く出演している、ハリウッドの人気俳優オーウェン・ウィルソン。そんな彼の真の姿について伝えるブログです。

疑心暗鬼ロマンスの行方|『ビッグ・バウンス』のジャックとナンシー

映画 カップル

 

『ビッグ・バウンス』はロマコメ映画の側面もあります。上映時間80分の大半はジャックとナンシーの会話で占められ、2人の愛と腹の探り合いのコンビも見どころです。

 

「クライムコメディのはずなのに、男女がイチャイチャしてるだけ!」などと怒る人がいますが、まあ落ち着いて。エルモア・レナードの原作そのものも、かなりセクシーな描写が多いらしいですよ。

 

The Big Bounce

Photo by ©︎Warner Bros.LLC

作品情報

・公開:2004年

・ジャンル:コメディ

・時間:81分

・出演:オーウェン・ウィルソン、サラ・フォスター、モーガン・フリーマン、チャーリー・シーン他

 

 この映画はどちらかというと【異色ロマコメ】といった雰囲気なんです。

 当初はかなり濃厚な恋愛シーンもあり、R指定になるはずでした。その後話し合いでPG-13に引き下げられています。つまり、この映画のテーマは「犯罪」ではなく、「犯罪に囲まれた異色カップル」。

 ですからジャックとナンシーの掛け合いに大半の時間が割かれているのは当然なのです。

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Photo by ©︎Warner Bros Entertainment LLC.

 ちなみに、ナンシーを演じたサラ・フォスターは本作が初めての映画出演。身体を晒すシーンが多いため、オーウェンは「彼女が恥ずかしい思いをしないようにとても気を遣った」と話しています。

 彼自身、上半身裸のシーンもあって、かなり恥ずかしかったでしょう。オーウェンはカメラの前で裸体を見せるのは非常に苦手ですから。

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 この記事では、ちょっと風変わりで楽しいカップルの観察とその後の関係予測(?)をしてみます。

 

🏝恋に一途なジャックと誰も信じないナンシー🏝

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Photo by ©︎Warner Bros Entertainment LLC.

 オーウェンが演じる役はなぜかプレイボーイが多いですが、本作は違います。

 もっとも脚本はプレイボーイでも、オーウェンは必ず演じる段階でイメージを変えてしまいますが…。『ウェディング・クラッシャーズ』はその代表ですね。

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 さて、『ビッグ・バウンス』のジャックは意外にもまじめに描かれています。ナンシーに対する愛情も混じりっけのない、一途なところが素敵

 この点ではオーウェンも演じやすかったのではないかと思いますね。

ナンシーの悪評を懸念しながらも愛する

オーウェン・ウィルソン ジャック

Photo by ©︎Warner Bros Entertainment LLC.

 ジャックが作中で得るナンシーの情報は、専らウォルター判事の口から聞かされています。

 しかし、ジャックはいくら悪口を聞かされてもナンシーへの想いを断ち切れません

ジャック:あの子をどう考えていいか分からない。「彼女こそ僕の相手だ」とも思うけど、危険もありそうだ。いつか新聞に載らないともかぎらない。「半裸の男の死体が湾で発見された。ナンシー・ヘイズを手配中」。

 ちょっと笑えたのは、この後のセリフ。

ジャック:彼女と一緒にいると楽しいんだ。それに、脱いだ服はちゃんと畳むしね。

 映画の中でも最も笑えたセリフでした。

 

 そんなジャックがついにナンシーから離れるのは、強盗計画が自分をカモにした殺人だと分かった時。この経緯は↓こちらの記事に書いた通りです。

 

 しかし、ジャックはそれでもナンシーに未練を残している様子はあります。

 映画のラストも、車で去っていきながら名残惜しそうにナンシーを振り返る表情が印象的です。

「愛される」ことを知らない女の子

サラ・フォスター

Photo by ©︎Warner Bros Entertainment LLC.

 ナンシーは「愛される」ことを知らない女の子です。パッと見ると、多くの男から纏わりつかれているようですが、実際にはジャック以外は誰も彼女を愛していません。

 具体的に見てみると、

リッチー▶︎ナンシーの性的魅力を弄んでいるだけ。

ボブ▶︎雇い主リッチーへの腹いせにナンシーを利用しただけ。

 ナンシーはモテているようで、本当に彼女を愛している人は誰もいないわけです。こうした中でナンシーは計画の都合上、ジャックの気を引きました。

 

 さて、ナンシーはジャックを愛しているのでしょうか? 彼女の言葉を信じるなら、土壇場になって彼の命を救おうとしたわけですから、「愛していた」と言えそうです。

 

 ちょっと可哀想なのは、ラストで自分の無実を訴える時にナンシーが言う↓このセリフ。

ナンシー:あなただって私を騙したでしょ? リッチーに近づくために私を利用したじゃない。何が目的だったの? 私が目的だったはずはないわ。

 

 これを聞いたジャックは、しばし憐れむようにナンシーを見ています。この時初めてナンシーは自分が愛されていたことに気づいたようですね。

 まだナンシーを疑ったままジャックが去ると、彼女は何か考え込みながら歩き続けます。

 

 ナンシーは多くの男にモテながらも、心から愛してくれる男性に出会ったことはなかったのです。

 ジャックが本当に愛してくれていたことを知って、彼女は自分が逃したものがいかに大きいか、気づいたのではないでしょうか?

 

ゲイの警官をめぐるジャックのお説教

ジャックとナンシー

Photo by ©︎Warner Bros Entertainment LLC.

 ジャックは安全と慎重さの上で行動するタイプ。ナンシーは反対に少し安全を犠牲にしてもスリルを楽しむ面があります。

 その違いがよく現れているのが、映画の中盤でうっかりゲイの警官の家に忍び込んでしまうシーン

 

 ナンシーはさっさと警官の上着を着てしまい、ジャックが脱ぐように言っても拒否。ゲイの警官たちは上着を探し回ります。

 何とか逃げ出した後、ジャックはナンシーにこんこんとお説教します

ジャック:あいつの立場で考えてみろ。僕たちにゲイとバレたんだし、噂が広がったら警官のキャリアはおしまいだ。あの状況で僕らの姿を見られたらどうなると思う? 絶対に殺されるぞ。いざとなったら平気でリスクを冒すやつも多いんだから。

 親が子供を叱る時のような言い方で、とても面白いです。これに返答するナンシーの言い方が叱られた子供の反応にそっくりで、またまた愉快なんですよね。

ナンシー:ちゃんとカミングアウトしてるかもよ? 隠す人ばかりじゃないし。

ジャック:まさか!

 

 余談ですが、このゲイは汚職警官。冒頭でジャックを釈放する時、ちゃっかり彼のハーモニカをくすねています。そのハーモニカを警官の家で偶然見つけ、ジャックは呆れていました。

 

🏝映画が終わった後復縁する可能性もある?🏝

ビッグ・バウンス 映画

Photo by ©︎Warner Bros Entertainment LLC.

 ジャックとナンシーが復縁するかどうかは、【信頼関係を築けるかどうか】にかかっているでしょう。

 気持ちの上では、お互いにまだ愛情を持っているように見えます。

9号室を【恋人】と意識していないのは態度で分かる

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ジャックに言い寄る9号室

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 ラストシーンでジャックはナンシーが歩いているのを見て車を停めさせ、ドアを開けたまま彼女と話します。

 最後のカットで車には9号室も乗っていたことが分かりますが、ジャックが9号室と付き合っているなら、これはあり得ないシチュエーションです。

 

 ちょっと現実の我が身に置き換えて想像してみてください。新しい恋人と一緒に乗っている時に、ドアを開け放したまま元彼女と長々と立ち話する気になれますか?

 

 ジャックは恋人を大切にする性格。9号室と付き合っているつもりなら、こんな態度はとらないでしょう。

 

 結論、ジャックはまったく9号室に関心がありません

すぐにUターンしたかもしれない

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Photo by ©︎Warner Bros Entertainment LLC.

 ジャックがあのままナンシーを置いて行ったかどうかは知る由もありません。映画は9号室にじゃれつかれて、ジャックがお愛想笑いするところで終わるからです。

 

 ところでジャックはどこに向かっていたのでしょうか? 国に帰るために空港に向かっていたのではないか、とも考えられます。

 

 ここからは推測。映画が終わってすぐ、ジャックがUターンしてナンシーのところに戻っても私は驚きません。ジャックの心は、間違いなくまだナンシーを想っているからです。最後のジャックの様子で、疑いを解き始めているのも分かります。

 

 

🏝結論:2人の未来は明るい!🏝

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Photo by ©︎Warner Bros Entertainment LLC.

 ナンシーは生い立ちや環境のわりには素直な感情を持ち、「誰かを愛する」ことはできます。

 一方、ジャックは「ナンシーから殺されそうになった」と誤解して距離を置いただけで、本当は彼女の全てを受け入れる心の広さと愛情を持ち合わせています。

 

 ジャックはロビンフッド風の【正義のアウトサイダー】、ナンシーはクールな態度と裏腹に寂しさを抱えた女の子

 ユニークなカップルですが、2人とも心根は誠実。あらためて信頼関係を築いていけば上手くいきそうな気がします。

 

 

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