オーウェン・ウィルソン ― 人気俳優の性格を正しいイメージで捉える

オーウェン・ウィルソン ― 人気俳優の性格を正しいイメージで捉える

『ナイト・ミュージアム』のカウボーイや『アルマゲドン』のオスカー、『カーズ』の主役の声を担当するなど、有名作品に数多く出演している、ハリウッドの人気俳優オーウェン・ウィルソン。そんな彼の真の姿について伝えるブログです。

オーウェンの頭にナイフが刺さりそうになる!『シャンハイ・ヌーン』の撮影秘話②

シャンハイ・ヌーン第2弾です。前回の記事はこちら⬇️

owenwilson.hatenablog.com

・あらすじとキャスト
ja.m.wikipedia.org

 

 では、この前に続いて、オーウェンロイ・オバノン役)が耐えた過酷な撮影を数えていきましょう。

 

3.脱獄シーンがオーウェンにとっては苦痛だった

f:id:Jane-Knowing:20210420135459j:image
Photo by Touchstone Pictures, static-bluray
 乱闘の末に投獄されたチョンとロイが初めて仲良くなり、一緒に脱獄するシーン。猛暑の中に埋められても、カウンターから落とされても文句を言わなかったオーウェンですが、このシーンには頑強に抵抗しました
「そんなに危ないシーンだったの?」と聞かれそうですが、そうではありません。確かに、狭い鉄格子の間を通り抜けるのは骨を痛める危険もあったようですが、それは無事に済みましたから、これまでに挙げた2つに比べれば、肉体的苦痛はずっとましでしょう。
 
 いいえ、オーウェンの反対理由は純粋なプライドと品格の問題だったのです。
 
 脱獄する時、チョンは自分の尿で濡らしたズボンを使って文字通り鉄格子を破るのですが、これが人一倍上品なオーウェンの気に触ったよう。「僕は、元からトイレネタがとても苦手なんだ。だから、どうしてもこのシーンが嫌で嫌でたまらなかった。あんまり嫌で監督と揉めたから、役を降ろされると覚悟したくらいだよ」と、オーウェンは語っています。
 
 確かに、この場面を巡っての議論はかなりのものだったようで、ジャッキーは「板挟みになったよ」と、苦笑しています。結局、監督は配給会社に相談(アメリカでは配給会社も映画製作に関わってきます)。会社の答えは・・・
 
「何としてでもオーウェンを説得してくれ!」
 
 やはりオーウェンを降ろしたくないようです。映画製作会社にしてみれば、オーウェンが出演するかどうかで収益も違ってきますから、簡単に手放すわけにはいかないのでしょう。余談ですが、いつもオーウェンは当たるかどうかが微妙な映画の宣伝役を担っているところがある気がします。こう書くと、ジャッキー・ファンに怒られそうですね。もちろん、ジャッキーは人気俳優ですよ。今でも彼のアクションは世界的に愛されているはず。でもシャンハイ・ヌーン当時のハリウッドではオーウェンほどの安定感はなかったのです
 
 さて、さんざん議論した末に、ついにオーウェンは折れたのですが、屈辱感は大きかったようです。身体的苦痛には耐えても、倫理的問題となると黙っていられないところがオーウェンらしいですね。彼にとってこの問題は、自分が嫌かどうかだけではなく、夢を売る商売である映画に品格を保つように要求するものでもありました。この後いろいろ下品な映画に出されるうちに、オーウェンは自分と周りの価値観のズレに幻滅し、次第にいじけてしまいますが、そうした心理面については、別の機会に。
 
 ジャッキーは「こういう脱獄は水がない時、本当に中国で行われていたんだよ」と言って、オーウェンを慰めたようです。ジャッキーは派手なアクション俳優としての顔の裏に、こうした優しさがあるのがいいですね。
 
 ともあれ、この脱獄シーンは精神的な意味では最高に苦痛だったようです。
 

4.バスタブシーンで肌を痛める

f:id:Jane-Knowing:20210420135718j:image
Photo by Touchstone Pictures, blu-ray
 今度はまた肉体的なダメージ。すっかり仲良くなったチョンとロイは中国のお酒の遊びをして楽しみます。本筋と関係ないわりに長過ぎるシーンで、二人とも何日も泡風呂に浸かったせいでひどい肌トラブルを起こしてしまいました。特にオーウェンは敏感肌のせいもあって、よけい辛かったようです。
 
 ただこの頃になると、さすがのオーウェンちょっと反抗的になってきたようで、撮影数日目にはバスオイルを持ってきました。
オーウェンが急に何かのボトルを持ってきたから俺も入れてみたらさ、泡がどんどん消えるんだよ」と、ジャッキーは言いますが、確かに途中、オーウェンのバスタブからほとんど泡が消えている場面があります。監督はそれでは困る、とまた泡を入れたようですが、オーウェンも今度は負けていません。結果、バスオイルと泡のイタチごっこになってしまいました。
 
 このエピソードでも分かるように、オーウェンあまりに理不尽な忍耐を強いられ続けると、無言の反抗に出てきます。地中に埋められる辛さを我慢し、カウンター落下の恐怖に耐え、品格の問題までも貶められては、限界を越しても不思議はありません。実際、この映画で要求された過酷さを思えば、これでもおとなしすぎるくらいです。
 

5.ナイフのアクシデント、危険な絞首台

f:id:Jane-Knowing:20210420135825j:image
Photo by Touchstone Pictures, answervip

 

 今度は今までになく不気味なアクシデント。悪徳保安官ネーサンに捕らえられたチョンとロイは尋問を受けた末に絞首刑にされそうになりますが、インディアン女性の力とチョンの機転のおかげで免れます
 
 さて、この尋問シーンでは恐ろしいことが起きました。オーウェンとジャッキーが後ろ手に縛られ、頭から麻袋を被せられている時です。
 何と、あろうことか、
 
オーウェンの頭にナイフが刺さりそうになったのです!!!
 
 映画をご覧になってない方から「刃物を投げるシーンだったの?」と聞かれそうですが、違うんです。確かに悪役の中国人がナイフでチョンの弁髪を切り落としはしますが、投げはしません。「袋を被せられていたから、どうして飛んできたのか分からなかったんだ。たぶん、誰かが間違えたんだろうけど・・・。」音声解説で、オーウェンは訴えかけるように監督に話していました。
 さて、この訴えを聞いて監督はどう答えたと思います? それが、
 
何も気にしていない!
 
のです。驚きませんか?
 
 脚本にないにも関わらず、ナイフが飛んできて、オーウェンの頭に刺さりそうになった。これは異常な状況であるはずなのに、監督は完全無視。どういうことでしょうか、これは? オーウェンはかなり気にしていました。もしかして、誰かが殺意を持って投げたのでしょうか? あり得ることです。クルーたちが危険物で遊ぶなどとは考えにくいですから。そうなると考えつくのは・・・。すみません、推測の理由は、こちらの記事 からお察しください。はっきりは書けませんので。
 
 それにしても、恐ろしいですね・・・。監督も監督です。こんなアクシデント(?)を野放しにすべきではありません!!! でも、さんざん虐待めいた舞台設定を押し付けるような人ですからね。何も期待できません。
 
 これに続く絞首刑未遂も大変リスクの大きいシーンです。公平を期するために言うなら、さすがのデイ監督もここはかなり神経を使ったそうです。オーウェンはここでも、またもや本当に首を吊られ、その後落下してしまいます
 
危ない・・・。
 
 特に過酷なシーンは以上になります。
 
 どう思われましたか? この映画でのオーウェンはまるで人形扱いです。そもそも、このトム・デイという監督、元々は代役でメガホンを取ったんですよ。したい放題し過ぎじゃありません? 人を危険な目に遭わせて面白がっている節さえあります。
 
 ジャッキーでさえ、山の頂上に登ったシーンで、事前に監督から危険を教えてもらっていなかったために、あわや地面のない雪だけの部分に歩いて行きそうになったそうです。撮影クルーが仰天して戻るように合図を送ったので、危機一髪で免れたのですが。この話を聞くと、オーウェンも腹を立てて、「監督って、平気で僕たちの身を危険に晒すんだから!」と文句を言っていました。
 
 どうもネガティブな記事になってしまいましたね。次回はシャンハイ・ヌーン』のもっと明るいエピソードをお話しして、そこでこの映画を締めくくることにしましょう。
 
f:id:Jane-Knowing:20210420135941j:image
Photo by Touchstone Pictures, imdb
軽薄な役でもオーウェンらしさは失われず
 
 
つづく→
 
⬇️ シャンハイ・ヌーン』を観る ⬇️
 
・配信サービス
 
 現在(2021年4月時点)、インターネットではdTVでしか観られないようです。</di
 
・DVD